インターネットの設定を依頼された。
今使っているパソコンはエラーばかり出るので新しいパソコンと交換したい。
そのパソコンをインターネットに接続できるようにしてほしいという依頼である。
依頼人は設定にはプロバイダーの書類が必要だろうかと聞いた。
準備しておいてくださいと応えたのだが、依頼人は家の片付けをしたときに処分したと言った。
よくある話である。
もし、ルータを使ってインターネットにつないでるなら、何とかなるかもしれない。
そこでネットワークケーブルの先に何か箱があると思うんですがと聞いてみた。
何もないという。
仕方がないのでとりあえず訪問してみるということになった。
訪問してみた。
パソコンは富士通製のデスクトップでＷｉｎ９８が動いていた。
ディスプレイはブラウン管のやつで色が変わり始めている。
これがよく固まって困るとおっしゃるがＷｉｎ９８は最初からそうだった。
それにしても10年以上経っているはずだがそれなりに動いている。
たいしたもんだ。
このパソコンにはLANケーブルは刺さっていない。
つながっているのは通常の電話線である。
もちろん光とは何の関係もない。
インターネットとはダイアルアップでつながっているのである。
さて私が設定するパソコンはＮＥＣのノートで一瞬困惑したがこれにも内蔵モデムがある。
ダイアルアップ内蔵モデムの設定は初めてである。
外付けのモデムの設定は10年以上前に何回もやっている。
モデムをＲＳ２３２Ｃ（シリアルポート）につなぐのである。
捨てたといわれた設定に必要なＩＤやパスワードは紙に書かれて保存されていた。
ダイアルアップだから相手の電話番号も必要だがこれはＷｉｎ９８の設定を覗いて調べた。
電話線をデスクトップからはずしてノートにつないだ。
このときに、はずかしい間違いをした。
当然、外から来ている方の電話線をノートにつなぐべきところを内線のコードをパソコンにつないだ。
ダイアルアップをやってみるとパソコンは電話の発信音がしないといっている。
当たり前だが気がつくのにしばらく悩んだ。
この問題を解決して、再度ダイアルアップを実行してみたがつながらない。
サポートセンターに聞いてみるとＷｉｎＸＰ用の電話番号があるそうで、そちらにかけ直せといわれた。
知らなかったがＷｉｎ９８でつながる回線とＷｉｎＸＰでつながる回線はダイアルアップでは違うらしい。
しかし、やはりつながらない。
画面には回線はビジーだという表示が出ている。
10数年ぶりなので完全に忘れていたのだがダイアルアップの設定をするときに注意すべき点として、回線がトーンかパルスかというのがある。
この設定をパルスに変更してめでたくインターネットに接続できるようになった。
